下呂市竹原郷で幕末の文久年間から元治元年まで竹原地域限定で高山郡代役所の許可を得て流通していた村札になります。幕末になると江戸や大阪など大都市からかなり離れた田舎の地域でも貨幣経済が発達していましたが銭の流通不足などが元で両替相場が変動したり金貨・銀貨等との交換率が変わったりと少額単位の流通に不都合があり日本の各地域にも村札や旗本札・私札等の発行で現金不足を補い流通しました。現金交換可の信用を請負人が保証して当時の日雇い賃金等の単位の低い小銭支払いに使用したものになります。 村札の場合は通用が村内限りであり、広範囲のものでなく低額通用の利便性で発行されるものが理由であろうと推察されます。従って、郡代の許認可が必要であろうから名主をはじめとする村三役が請負人です。当然のことながら、村三役に発行責任が生じるので資力・財力の裏付けがないと発行ができません。印刷してある請負人名の家は今も地域で続いている大きな旧家ばかりです。 大変貴重な資料です。ご興味のある方ぜひよろしくお願いします。 引用ですが解説資料付きです。